窯業系サイディングボードの工法についてお話します。 井堀
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今回は窯業系サイディングボードについてお話します。
その中でも直貼り工法と通気工法についてお話しします。
簡単に言えば窯業系サイディングの裏面が防水紙に密着している場合を直張りといいます。窯業系サイディングの裏面と防水紙が12mm〜15mm以上隙間がある場合を外壁通気構法といいます。
この構造の違いで家の寿命が大きく変わってきます。2000年4月以降品確法の標準工法として外壁通気構法が取り入れられましたので新しい家は外壁通気構法になっている場合が多いと思われます。但し罰則がありませんので、今建てている最中の家でも残念ながら直張りが存在します。
この外壁通気構法にすると浸水や結露が発生しても空気が流れることによって乾燥した状態を保てます。炭酸ガスに侵されることもありません。
これが、直張り工法だとボードが吸水した水分や湿気はすぐ裏に密着した防水紙に阻まれて逃げ場を失ってしまいます。そして、未塗装のボードの裏面から再び吸い込まれていきます。発生した炭酸ガスもボードに吸い込まれていきます。炭酸ガスもセメント系のボードを縮める働きがありますので、先ほどの湿乾伸縮をさらに助長してしまうということです。
残念ながらもし自宅の外壁が直張り住宅の場合は外壁材を剥いで新たに通気構法で張り替えるしか方法はありません。せめて、表面の塗装をする場合に適切な塗装方法をとって被害を最小限にとどめることが大切です。
ここで、重要なことは塗装する場合に直張りが通気構法かを見抜いた上で施工方法を考えるということです。何も考えない塗装屋さんも多いのも現実ですが、しっかりとした知識と技術はやはり大切であると考えています。
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