郡山塗装の現場ブログ郡山塗装の活動記録や最新情報をお届けいたします

HOME > 郡山塗装の現場ブログ > 塗装豆知識 > 【郡山】ノンアスベスト(無石綿)スレート瓦について(桑島)| 郡山塗装|いわき市、須賀川市、本宮市の外壁塗装&屋根リフォーム専門店

【郡山】ノンアスベスト(無石綿)スレート瓦について(桑島)| 郡山塗装|いわき市、須賀川市、本宮市の外壁塗装&屋根リフォーム専門店

塗装豆知識スタッフブログ 2023.02.14 (Tue) 更新

福島県・郡山市でも多く使用されている屋根材

無石綿(ノンアスベスト)スレート瓦について解説します!

 

皆さんこんにちは、郡山塗装の桑島と申します。

今回は非常に問題になっている無石綿(ノンアスベスト)スレートについて、今後どうメンテナンスしていけば良いのか、解説していきます。

    目次

1.はじめに
2.無石綿(ノンアスベスト)スレートとは
3.どういった劣化が起きるのか
4.どうメンテナンスすればよいのか
5.終わりに

 

1.はじめに

屋根全体の航空写真です

こちらのブログを読んでいる方は、無石綿や、ノンアスベスト、スレートなどの語句で検索された方だと思います。

無石綿スレートの住宅は、築年数が現在ちょうど1520年にあたることから、メンテナンス適齢期にあたります。

そこで業者に見てもらってはじめて気づいたという方も少なくありません。

いったいどうしてなのか、そしてこれからどうして行けばいいのか。そちらを書いていきますので、ぜひ皆様参考にしてみてください。

 

2.無石綿(ノンアスベスト)スレートとは

スレート屋根の写真です

スレートとは、本来の意味では薄い石の板を指します。

しかし本物の石材を使うと重量や加工に伴うコストの面で難しいところが多く、実際使われているのはセメントを薄い板状に成形した屋根材です。

 

メーカーによって「カラーベスト」や「コロニアル」などの商品名があり、スレートではなく商品名で呼ばれる場合もあります。

厚さが5㎜弱と非常に薄く軽量であり、コストも高くなく、また施工も容易なため積極的に住宅の屋根に使用されていました。

主成分のセメントが水を吸ってしまい劣化するため、防水として表面を塗装する必要がありますが、防水が低下したら再塗装が可能であり、メンテナンス自体は容易な建材でした。

内容成分は、セメントが85%に、かつては残りの15%にアスベストが使用されていましたが、2004年にアスベストの含有率が1%未満に、2006年には0.1%未満に規制されたため、

現在ではアスベストの入っていない、木材の繊維質など混ぜたスレート瓦が流通しています。

 

この“アスベストの入っていないスレート瓦”が、無石綿スレートや、ノンアスベストスレートと呼ばれるものです。

国を挙げたアスベスト規制の流れがあり、各メーカーは1900年代後半から2000年にかけて規制の施工日までに無石綿の商品へ切り替えていたのですが、

この頃2010年くらいまでのスレート瓦は技術の転換期にあたるため、非常に劣化が起きやすいことが特徴です。

アスベストが無くなったことで、劣化の生じやすくなった屋根材。それが無石綿スレート瓦です。

 

3.どういった劣化が起きるのか

ここでは、無石綿スレート瓦特有の劣化症状について解説していきます。

アスベスト含有のスレート瓦でも起きるものから、無石綿特有のものまで様々です。

 

(1)ひび割れ

ひび割れの様子です ひび割れの様子です

非常に起きやすい劣化として、ひび割れが挙げられます。

表面の塗装が紫外線により劣化し、スレート瓦が雨や雪で湿ってしまうようになると、浸透した水分が夏場に急激に乾燥したり、

また冬場に内部で水分が凍結し膨張したりすることで、ひび割れが生じてしまいます。

 

一般的なスレート瓦では工場出荷時に防水として表面にアクリル樹脂塗装を施しますが、直射日光の下では防水性はもって57年です。

それ以降は雨雪の度に湿気をおびてしまい、また発生したひび割れからはより多くの水分が吸水されるため、劣化はどんどん進行します。

 

(2)欠損、滑落

欠損・滑落の写真です

前述のひび割れが進行し、瓦を完全に分断する状態になった場合、欠損を起こし、割れたスレート瓦が滑落します。

角の小さい部分の場合もあれば、大きく欠損を起こし下の固定釘が剥き出しになる場合もあります。固定釘が露出していると雨漏りの危険性があるため、非常に注意が必要です。

 

(3)層間剝離

層間剝離の写真です 層間剝離の写真です

欠損した断面を見ると、本来スレート瓦1枚の厚みにセメントが固まっているはずですが、何層にも分かれてしまっている状態であることが分かります。

これを層間剝離と呼び、水分の浸透が原因で発生します。

内部で水が膨張したことで何層にも隙間ができ、その後水分が抜け隙間が残ってしまった物です。

 

イメージとしてはパイ生地やミルフィーユで、本来一体であるものが薄く何層にも分かれてしまっているため、著しく強度が下がり、割れや欠けが生じやすくなります。

 

この状態が発生していると、塗装を行っても表面は保護できますが、内部の隙間はどうすることもできず、強度が下がったままとなります。

塗装により耐久性を揚げることが非常に難しい状態が、層間剝離です。

 

4.どうメンテナンスすればよいのか

①塗装によるメンテナンス

塗装でメンテナンス中の写真です

通常のアスベスト含有のスレート瓦と同様に、塗装によりメンテナンスする方法です。

しかし、

前述のように劣化が進行していた場合は塗装によるメンテナンスは難しい場合がほとんどです。

施工しながら、やはり人の体重で割れや欠けを増やしながら施工をするようになってしまいます。

 

スレート瓦の塗装ですと縁切り作業が必要になりますが、割れやすくなる兼ね合いからタスペーサー器具の使用が難しく、塗装施工後手作業で縁切りを行うようになります。

仕上がった屋根をすべて歩き回り作業しますので、ひび割れが増えてしまうことが非常に懸念されます。

 

②屋根カバー工法によるメンテナンス

カバー工法中の写真です カバー工法後の写真です

既存の屋根の上に新しい屋根材を葺きなおす方法で、無石綿スレート瓦屋根の改修工事では、現在一番ポピュラーな方法です。

洗浄を行い、通常の屋根葺きと同様に既存スレート瓦を下地として防水シートを敷いた後、金属製など軽量の屋根材を葺いていきます。

 

屋根材の固定には非常に長い釘やビスを使い、既存スレート屋根を貫通させ野地板へ固定するため、既存野地板が腐っていないことが条件です。

葺き替えと違い、既存の屋根材を撤去する手間や、廃棄物処理などのコストを大幅に圧縮できるため、人気があります。施工中に急な雨でも漏水する可能性が低いことも特徴です。

 

③屋根葺き替えによるメンテナンス。

葺き替えによるメンテナンス写真です

既存スレート屋根がカバーに適した形をしていない場合や、野地板の腐食が懸念される場合などは、葺き替えのメンテナンスとなります。

既存の屋根材を撤去し、傷んでいる場合は下地の野地板を張りなおします。そして通常の屋根葺きの工程、防水シート葺き後に屋根材を施工していきます。

近年の産廃処理費の高騰もあり一番コストがかかる方法ですが、屋根材を好きに選べ、下地も張りなおす場合は完全に新しくなるため一番安心できる方法です。

 

5.終わりに

ノンアスベスト屋根施工後写真です

いかがでしたか?

無石綿(ノンアスベスト)スレートについて、理解を深めていただく事が出来たでしょうか。

現在こちらは全国的な問題となっており、メーカーと消費者の間で訴訟になったこともあります。

規制が始まったのは2004年からですが、各メーカーそれ以前に無石綿(ノンアスベスト)スレートを発売していますので、2000年前後に建築された方も要注意です。

図面の仕上げ一覧表には石綿含有の商品名で記載されていたのに、実際は無石綿の物が施工されていた、なんていうケースもあります。

また、状態が良ければ塗装のメンテナンスをすることも可能な建材でありますので、判断はプロに任せるのがおすすめです。

 

弊社でも無石綿(ノンアスベスト)スレートの改修工事を多数手がけておりますので、福島県内(郡山市、本宮市、須賀川市、三春町)などのお客様はぜひご相談ください!

 

 

郡山塗装外壁塗装・屋根塗装・雨漏り専門店です。
創業から90年以上、郡山市・いわき市・福島市地域密着で多くの信頼と実績を

積み重ねてきた塗装のプロフェッショナル集団です。

地域密着だからこそ実現できる適正価格で高品質な塗装をご提供いたします。

これまで積み重ねてきた信頼と実績に恥じぬよう、

誠心誠意対応させていただきます。

■郡山塗装ではお客様の声から生まれた塗装メニューがあります!

 

 

 

 

■創業90年以上の実績をぜひご覧ください!

 

 

 

■郡山塗装が90年以上選ばれ続けてきた理由はここにあります!

ブログ執筆者

株式会社郡山塗装 リーダー

桑島淳

所有資格:

  • 2級建築施工管理技士(建築・仕上げ)
  • 外装劣化診断士
  • 2級建設業経理士
  • 石綿作業主任者
  • 建築物石綿含有建材調査者
  • 日商簿記2級
  • ITパスポート